投資の基本

【MSCIとFTSEの違い】全世界インデックスの投資先はどこ?

投資の基本
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こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。

投資初心者
投資初心者

全世界インデックス買うなら
eMAXIS Slimにすればいいやー

とか考えてませんか?

インデックスファンドは、当然何らかの「インデックス」に連動しています。

信託報酬がどんなに安いファンドでも、インデックスが変だと利益が出ないかもしれません。

ちなみにeMAXISは「MSCI」に連動しています。日本の有名なインデックスファンドは、「MSCI」か「FTSE」のどちらかのインデックスを採用しています。

正直、インデックスの話だけするとFTSEの方が優秀です。

2つの指標の違いについて、一緒に勉強してみましょう。

この記事で分かること
  • 主要な全世界インデックスファンドの指標が分かる
  • MSCIとFTSEの違いが分かる
  • FTSEが何に優れている3つのポイントが分かる

少し長めの記事なので、目次から気になるところに飛んで下さいね。

人気の全世界インデックスファンド

2021/8時点で人気のインデックスファンドを並べてみます。

名前インデックス信託報酬純資産残高
(億円)
eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)MSCI ACWI(含む日本)0.1148,087
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)MSCIACWI(除く日本)0.1141,944
野村つみたて外国株投信MSCI ACWI(除く日本)0.209703
楽天・全世界株式インデックスFFTSE Global All Cap Index0.1327,309
SBI・全世界株式インデックスFFTSE Global All Cap Index0.068820
※各データは2023/1/11時点

eMAXISと野村はMSCI系、楽天とSBIはFTSE系という違いがありますね。

信託報酬だけでなく、その投資対象も意識できると投資家レベルも1段階上がりますね。

社名がインデックスになる

ちなみに「MSCI」も「FTSE」も会社名です。インデックスには、作った会社名を入れる慣習があります。

全世界インデックスの組成会社
  • MSCI:Morgan Stanley Capital International, Inc.
  • FTSE:FTSE Internatinal,Ltd.

MSCIは、アメリカの企業です。世界を代表するモルガン・スタンレーとキャピタル・グループが合同で設立した企業ですが、現在は独立しています。

FTSEは、「ふっつぃー」という可愛い読み方なんですが、硬派な機関であるロンドン証券取引所の子会社です。

日本の代表的な指標も同じく企業名が入っていますね。

日本のインデックスの組成会社
  • 日経平均株価:日本経済新聞社
  • TOPIX(東証株価指数):日本取引所グループ

日本の2つの指標は別の記事で詳しく解説しています。

MSCI ACWI(オールカントリーワールドインデックス)とは?

eMAXISや野村つみたてで採用されているインデックスです。

正式名称はMSCI All Country World Index

こんな特徴があります。

MSCI All Country World Indexの特徴
  • 先進国24カ国と新興国25カ国を組み合わせた49カ国に投資
  • 主に3つの地域に分類される(米州、ヨーロッパ、アジア)
  • 各国の大型/中型株(時価総額の上位約85%)をカバー
  • 時価総額を加重平均して算出

全世界の85%に投資ができるので、分散効果は大きいです。

FTSE グローバル・オールキャップ・インデックスとは?

楽天やSBIで採用されているインデックスです。

正式名称はFTSE Global All Cap Index。特徴はMSCIとほとんど同じです。

FTSE Global All Cap Indexの特徴
  • 先進国25カ国と新興国24カ国を組み合わせた49カ国に投資
  • 主に3つの地域に分類される(米州、ヨーロッパ、アジア)
  • 各国の大型/中型株に加えて小型株も対象(時価総額の上位約98%
  • 時価総額を加重平均して算出

MSCIとFTSEの違いは?

MSCIとの大きな違いは「投資対象国」「銘柄のサイズ」の2点です。

2つの指標の特徴と違いをまとめてみました。

観点MSCI All Country World IndexFTSE Global All Cap Index
投資対象国先進国24・新興国25先進国25・新興国24
※1カ国少ない
銘柄数2,900以上9,000以上
時価総額カバー率85%98%
投資対象の銘柄大型・中型大型・中型・小型
計算方法時価総額の加重平均同左
インデックス利用料普通若干安い
TOP5の銘柄アメリカ5銘柄同左
2023/1時点

大きく3つの違いがあるので、まとめますね。

違い1:FTSEは投資対象国が4カ国多い

2023/1現在では、どちらも投資対象国は同じです。以下のように数年前までは微妙に異なっていたので今後も違いが出る可能性はあります。

以下は古い情報ですがご参考まで。

2021/8現在では、MSCIの方が新興国の基準が広いです。逆にFTSEが1カ国(アルゼンチン)少ない状況になっています。

昔はMSCIには韓国が含まれておらず、サムスン電子などの銘柄への投資ができていませんでした。これらの対象国・対象銘柄の選定は毎年のように見直されています。

以下は2019/12の情報です

MSCIとFTSEでは新興国に属する国が異なります。

投資対象国MSCIFTSE
韓国・ポーランド新興国先進国
クゥエート・パキスタン×新興国
サウジアラビア・中国A株×2020/3までに追加

中国やサウジアラビアにも投資したいのであれば、FTSEを選んでも良いでしょう。

違い2:FTSEは小型株も含む

MSCIとは異なり、FTSEは小型株も投資対象です。

その結果、全世界の時価総額カバー率もFTSEの方が広いです。

時価総額カバー割合
  • MSCI:85%
  • FTSE:98%

違い3:FTSEはインデックス利用料が安い

あまり知られていませんが、FTSEの方がインデックス利用料が安いと言われています。

投資信託の運用会社は、インデックス会社とライセンス契約を結んで利用しています。

2012/10にはアメリカの運用会社であるヴァンガード社が、インデックス利用料を下げるために「MSCI」から「FTSE」に変更しています。これは楽天・全世界株式インデックスFの投資先の企業です。

米バンガード、一部ファンドの基準指標をMSCIから切り替えへ コスト削減狙い

なお、インデックス利用料の具体的な金額は非公開です。運用会社とインデックス会社との間の契約で決まります。

ただし、2017年に行われたMSCI社員との勉強会でちらっと情報がでていたようです。

インデックス利用料の内訳
  • データ費用(固定費、数百万円程度)
  • ライセンスフィー(変動費、純資産総額に対し年0.03%~0.05%程度)

MSCI勉強会に参加 指数のライセンスフィーの仕組みを詳しく聞いてきました

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MSCIとFTSEのパフォーマンスの違いは?

正直、どちらでも大きな違いはありません。

2022/11末時点の過去のパフォーマンスを示しておきます。ただ、、、バブルと目されるほどの数値になっているため、参考になる数字とは言えません。。

過去のリターン実績
1年3年5年10年15年20年
MSCI-11.27.16.99.25.68.5
FTSE-11.07.16.99.25.68.7

参考のために、シャープレシオも記載します。

シャープレシオとは投資効率を示す指標のことです。リターン÷リスクで算出し高い方が優秀と言えます。

過去のシャープレシオ実績
1年3年5年10年15年20年
MSCI-0.50.40.40.60.30.5
FTSE-0.50.40.40.60.30.6

MSCIとFTSEはどっちが良いの?

インデックス投資をする上では、2つの理由でFTSEの方が優秀だと考えています。

FTSEの方が優秀な2つのポイント
  1. 投資対象が多い
  2. インデックス利用料が安い

インデックス投資の本質は「分散投資」です。単純に投資対象が多いほうが優秀と言えます。

特に、成熟した大型・中型株だけでなく、成長が見込まれる小型株も含めた方が経済成長を取り入れられると考えます。

ただし、、、

インデックス利用料は、、少なくともeMAXISについては関係ないかもしれません。

行動力のあるブロガー(たわら男爵さん)が、三菱UFJ国際投信に電話して聞いたそうです。笑

少なくともスリムシリーズが負担する指数利用料は極めて低廉です。
(eMAXISがFTSEに変更しても)指数変更による実質コストの低減効果は余り期待できなさそう。

40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ

番外編1:両方ともTOP5の銘柄は同じ

ちなみに当然といえばそうですが、両方ともTOP5の銘柄は同じです!(2023/1/11調べ)

順位銘柄MSCIFTSE
1アップルアメリカ3.253.09
2マイクロソフトアメリカ2.642.84
3Amazonアメリカ1.201.18
4Alphabetアメリカ0.820.84
5Unitedhealthアメリカ0.770.78

びっくりポイントとして、全てアメリカの銘柄ですね!

2年前はTOP10まで広げると台湾セミコンダクターという中国企業が入っていました。ただ、ウクライナ戦争をきっかけにアメリカ独占の様相に変わりました。

世界の株式市場の上位をアメリカが独占してるので、米国株投資が流行っているのも納得です。

番外編2:先進国投資では…?

先進国投資をするときも、この2つの指標が有名です。

人気のある投資信託であるeMAXIS Slim 先進国株式は、MSCI KOKUSAIというインデックスを目指しています。

つまり、投資対象国に韓国とポーランドを含みません。韓国のサムスンは買えないということです。 2021/8には改善されています。

FTSE基準の先進国投資信託を買うなら、SBI先進国株式インデックスFを買うことになりますね。


今回は全世界に連動する2つのインデックスついて解説しました。

MSCIとFTSEの違い
  • MSCIは、eMAXIS Slimシリーズや野村つみたてが採用
  • FTSEは、楽天全世界株式やSBI全世界株式が採用
  • MSCIよりFTSEの方が、投資対象が多い
  • MSCIよりFTSEの方が、インデックス利用料が低い?

「全世界に投資する」と言っても、MSCIよりもFTSEの方がカバー率が高いです。

eMAXIS Slimシリーズは信託報酬が非常に安いことが特徴です。でも投資対象で考えると別の選択肢も見えてきます。

少なくとも、分散投資の観点から考えると、楽天やSBIの方が優秀でしょう。

しっかりと理解して投資していきましょう。

ちなみに人気ブロガーの水瀬ケンイチ氏の書籍でも、全世界投信は紹介されています。


良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。

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まさ

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