こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
日本株のインデックスファンドを買うときは、「TOPIX」と「日経平均」から選びます。でも、その構成銘柄の違いまでしっかり説明できますか?
特にTOPIXは聞き慣れない言葉かもしれません。ツイッターでクイズを出しても正解率は61%でした。
【第7回 #金融リテラシークイズ 】
— まさ@金育SE (@kinikuse) January 5, 2020
2020年の1発目はインデックスに関する問題です👏
「東証株価指数(TOPIX)とは、どんな銘柄の株価を示したものでしょう?」
ちなみにインデックス投資は、こういった指数に連動する投資信託を積み立てる投資方法のことです👍#金育
今回はTOPIXと日経平均のどちらが投資対象として適切かを比較します。
少し長めの記事なので、目次から気になるところに飛んで下さいね。
TOPIXと日経平均はどっちがいいか比較
結論から言うと、私は分散投資向きの指標であるTOPIX型の投資信託をオススメします。
ポイントは2つあります。
銘柄数と算出方法が異なります。
特に、算出方法はTOPIXの方が圧倒的に優れています。
銘柄数 | 算出方法 | |
日経平均 | 225 | 単純株価平均 |
TOPIX | 約2,100 | 時価総額加重平均 |
日経平均は日本の主要企業の成績を表します。その算出はただの割り算なので、一部の超大型株の影響で指数が激しく変動してしまいます。ユニクロやソフトバンクなどのニュースと激しく連動してしまうのが懸念点です。
一方でTOPIXは日本全体の成績を表します。東証一部の約2000銘柄の時価総額ベースで算出するため、一部銘柄の不祥事にはそこまで左右されません。
それぞれの解説の前に、株価指数とは何かを説明します。
そもそも株価指数って何?
株価指数とは、株式市場全体の値動きを示す指標です。インデックスとも呼ばれます。インデックスファンドは、これらの株価指数に連動するように運用されています。
日本を代表する指標は「日経平均」「TOPIX」ですが、海外にももちろんあります。アメリカの「S&P500」「ダウ工業株30種平均(NYダウ)」や、全世界が対象の「FTSE 全世界指数」「MSCI ACWI」が有名ですね。
ちなみに世界全体のインデックスはこちらの記事で解説しています。
TOPIXは東証一部
TOPIX(東証株価指数)とは、東証一部に上場する全銘柄を対象とする株価指数です。
2021/1の時点で2,190銘柄が対象(1年で30銘柄増加)です。単純に上場銘柄が対象になるので成績不振な銘柄も含まれてしまいます。
TOPIXの算出には、時価総額の加重平均を利用しています。1968/1/4の時価総額※を100として、そこから相対的に増えた割合です。
(会社をまるごと購入するために必要な金額のこと)
日経平均は日本の代表
日経平均とは、日本経済新聞社が選んだ日本を代表する225銘柄を対象とする株価指数です。
選ばれる基準は大きく3つあります。
- 市場での流動性が高いこと
- セクター間のバランスを考慮すること
- 臨時の入れ替えでは企業の実態を考慮すること
毎年10月に定期入れ替えが行われるほか、採用銘柄が東証2部落ちしたりすると臨時入れ替えもあります。
日経平均の算出は、株価を単純平均するだけです。(厳密には細かい計算もあります)
TOPIXと日経平均の違い
一言でいうと「日経平均は日本の代表」「TOPIXは日本全体」を表します。細かい違いを一覧にしました。
観点 | TOPIX | 日経平均 |
---|---|---|
銘柄数 | 2,100銘柄以上 | 225銘柄 |
選定基準 | 東証1部の全て | 日本市場を代表する銘柄 |
算出方式 | 時価総額の加重平均 時価総額の合計 ÷ 1968年の時価総額の合計 | 株価の単純平均 株価の合計 ÷ 除数(分割併合を考慮) |
値動き | 1銘柄の影響は小さい | 株価が高い銘柄に強く依存 |
上位5銘柄 | 構成比率の10%を占める | 構成比率の23%を占める |
特に銘柄数と算出方式が大きな違いです。
2019/1/9時点で東証全体の銘柄数は、3,704銘柄です。半分以上をカバーしているTOPIXは分散効果が高いです。
指標の算出方法が全く違う
日経平均は単純な株価ベースの平均です。株式分割をしないせいで株価が高止まりしている銘柄の影響を強く受けます。
実際、値がさ株と呼ばれる、ファストリ(105,000円:21/2/26)やソフバン(9,895円:21/2/26)などの影響を大きく受けています。市場全体が好調でも、これらの銘柄で不祥事があると途端に下がってしまいます。
一方でTOPIXは「株価」と「発行済株数」が計算のベースとなっています。いわゆる「時価総額」方式です。時価総額が大きい銘柄の影響は大きいとはいえ、その影響力はたかが知れています。
【TOPIXの上位5銘柄】
順位 | 銘柄名 | 構成比率 |
---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 3.55% |
2 | ソニー | 1.82% |
3 | 三菱UFJ | 1.64% |
4 | 武田薬品 | 1.55% |
5 | NTT | 1.51% |
【日経平均の上位5銘柄】
順位 | 銘柄名 | 構成比率 |
---|---|---|
1 | ファーストリテイリング | 9.36% |
2 | ソフトバンクグループ | 4.42% |
3 | 東京エレクトロン | 3.75% |
4 | ファナック | 3.12% |
5 | KDDI | 2.98% |
最近10年の株価変動も異なる
2011年からの株価変動を比べてみましょう。
株価変動自体は似た動きですが、ここ10年でみるとTOPIXは明らかに負けていますね。
TOPIXは辛うじて東証1部にすがりついてる成績不振な銘柄も対象となります。1年毎に見直しがかかる日経平均のほうが成績が良いのは当然でしょう。
ただし、これは逆も言えます。
日経平均は銘柄数が少ない分、一部の銘柄の影響が大きいです。事実、ファストリという1銘柄に10%弱も依存しているのは分散投資の観点からは望ましくないでしょう。
NEWS:2022年に東証の市場区分が変わる?
「2022年に東証の市場区分が見直しになる」という報告書が2019/12に公表されました。
「東証1部が肥大化しすぎた」「ジャスダックとマザーズの違いがわからない」といった指摘に対応する形で、4つの市場が3つに削減されます。
参考:金融庁 金融審議会市場ワーキング・グループ 「市場構造専門グループ」報告書 の公表について
新しいプライム市場の特徴と企業数を分析してみます。
あれ、、本来の目的とずれて、プライム市場が250社増えるだけな感じがします。。
TOPIXはどうなるの?
インデックス投資家にとって、東証1部が対象のTOPIXがどうなるかが重要です。
Q. TOPIXの議論はどう進むのか?
東証「プライム」には厳しい基準 市場改革Q&A
A. 市場区分と指数は別々に議論する。20年6~7月に向けて具体的な内容を示し、22年上半期に移行期間に入る。
新しいTOPIXは新しいプライム市場に連動はさせず、別の基準で算出されるようです。今のところは決まっていないということですね。
予想では、指標が改善される!
ただし、私の予想ですが選定基準は改善されます。
〜2022年:東証1部上場の全銘柄
2022年〜:プライム市場の定義である「流通時価総額100億以上」を採用
つまり、成績不振で時価総額が下がっている銘柄が削減されると予想できます。
最終的には、現在の銘柄数よりも50社近くが減りそうです。
新方針:TOPIX銘柄は維持するが、2025/1にダメ銘柄を除外
2020/12/25に新しい方針が発表されました!
- 市場区分との切り離し。現行は東証1部所属の銘柄のみが組入れられておりますが、市場再編施行日である2022年4月4日前営業日時点のTOPIX構成銘柄が継続採用されるため、様々な市場に所属する銘柄が組入れられた状態となります。
- TOPIX構成銘柄の基準を満たさない銘柄の段階的ウエイト低減。基準を満たさない銘柄については、浮動株比率を段階的に引き下げることで構成比率を引き下げられます。判定日において基準を満たさないと判定された銘柄については、2025年1月最終営業日に構成銘柄から除外されます。
インデックス構成銘柄の入れ替えタイミングは市場が荒れがちです。。2025/1までの日本個別株の投資は頭を使わないと難しそうですね。
TOPIXか日経平均か、「好みの銘柄数」で選ぼう!
日本株のインデックスファンドを買う時、TOPIXと日経平均に連動する投資信託はどっちを選ぶべきなのか?
について考えてみました。
結論は、、
あなたの考え方しだいですね。笑
おすすめはTOPIX
私ならTOPIXに投資します。理由は2つです。
- 多くの銘柄に分散投資したい
- 時価総額加重平均なので値がさ株に引っ張られない
- 2022年以降は、成績の悪い銘柄が除去される期待もある
2つ目の理由はまだ確定情報ではないので、今後も注視していく必要がありそうですね。
今回はTOPIXと日経平均について解説しました。
日本株の代表的な指標については理解できたのではないでしょうか。
「日本全体に投資する」と言っても、TOPIXなのか日経平均なのかは大きな違いです。しっかりと理解して投資しましょう。
個人的におすすめなのは全世界株式への投資ですけどね。
良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。
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まさ