投資の実践

【裏側解説2】LINE証券タイムセールのルール変更と利益を解説します

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こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。

ななななんと!

2019年12月に大盛況に終わった、LINE証券の株のタイムセールが再開されました!!

前回の記事 では「株のタイムセールが開催できる裏側の仕組み」を解説しました。

今回は相場状況が異なるのでキャンペーン内容も大きく変更されています

解説記事が世に出回っていないので、証券SEの立場から仕組みを解説していきます。

この記事でわかること
  • ルール変更になった理由が分かる
  • 2回目にも利益が出るのか分かる

タイムセールの目的は「成功体験を積ませる」こと

株のタイムセールは多大な広告費がかかっています。大金を払ってタイムセールするのには2つの目的があります。

LINE証券タイムセールの目的
  1. バズらせて新規口座を増やしたい
  2. 株取引で成功体験を与えたい(利益を出してほしい)

証券会社の利益は「口座数×1人あたり手数料」がメインです。

まずは、「新規口座数」を増やすためことで利益を確保する狙いがあります。特に、新興証券会社なので、目立ったことをするにはピッタリのキャンペーンですね。

ただし、死に口座ばかりが増えても仕方ありません。特に、取引経験の無い若者はそのまま放置する可能性も高いです。口座にお金を入金させ、1回目の取引を成功させることが「1人当たり手数料」の増加**に繋がります。

つまり、口座を開かせて利益も出してもらうことが1番の目的なんです!!

1回目とルールの違いは?

前回のキャンペーンとの違いをまとめてみました。

ルール2019/122020/2
割引率*3/5/7%(抽選)3/5/7%(抽選)
開催日*毎週火・木曜ランダム
銘柄発表時刻15時15時
申込時刻17時〜19時17時〜19時
売却可能時刻翌朝9時翌朝9時
株数制限*10株5株
取引コスト購入時のみ無料購入時のみ無料

このキャンペーンには3つの大きな特徴があります。「7%割引・火木開催・10株制限」は前回の記事で詳しくまとめています

2つのルール変更はこのあと解説していきます

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開催日がランダムになった

火曜と木曜の固定開催から、「いきなりタイムセール」というランダム開催へ変更になりました。

まさ
まさ

コロナウイルスの大暴落が原因です。

東証1部全体が急激に暴落している

明日の相場が全く読めない状況で、定期開催すると、成功体験を積んでほしいお客様にも損をさせることになります。

相場変動が読めそうなタイミングと銘柄に絞ってキャンペーンを行えば、リスクを低減できるかもしれません

「いきなりタイムセール」という楽しげなフレーズですが、顧客もLINE証券も損しないために曜日を固定しない戦略でしょう。

5株しか買えなくなった

こちらはいくつかの理由が考えられます。

  • 多くの人に参加してもらうため
  • 参加者の投資金額を抑制して、損失リスクを低減するため
  • LINE証券の調達株数を減らすため

最大の理由は「調達株数を減らすため」です。

LINE証券の裏側はクロス取引という相対取引が前提となっています。

クロス取引とは
  • 取引所を介さないことが特徴
  • 「LINE証券と参加者」が個人的に取引したと東証に報告する方法
  • 個人投資家が優待狙いで行う「クロス取引」とは別物
  • 参加者に売るために、現物の株式を調達する必要がある

キャンペーン当日に、LINE証券は株式を調達する必要があります。

この株数が多いほどLINE証券が損するリスクが高まります

コロナ相場でのリスクを少しでも下げるために、株数を減らさざるを得なかったのです。

ちなみに20%オフは絶対にアリエナイ

最近はバーコード決済で20%オフが流行っています。

まさ
まさ

株の世界で20%オフはアリエマセン。笑

東証の制度として7%が上限として決まっているんです。

ToSTNeTの単一銘柄取引
立会市場の直近値から上下7%以内の価格で相手方を指定した取引ができます。

東京証券取引所HP
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実際に儲かるのか計算しよう!

では、実際にいくら儲かったのか計算してみましょう。

LINE証券は手数料ゼロといいつつ取引コストを取られています。いくつか前提を置いて計算してみました。

計算の前提はこちらです
  • 7%OFFで買う
  • 翌日の9時ぴったりに売る
  • 売るときのスプレッドコストは日中0.05%(夜間なら0.5%)
  • 利益は20.315%の源泉徴収後

ゲリラ1回目(2020/2/27木)

初回に株を買った場合に得したのか?損したのか?みてみましょう。

銘柄前日終値買値(7%off)翌日始値前日比7%利益3%利益
セブン&アイHD3,7233,462.43,659-1.7%973.945.8
オリエンタルランド12,18511,332.111,630-4.6%1,460.4-195.3
デンソー4,3024,000.14,230-1.7%1,138.954.9
東京エレクトロン23,63021,975.922,925.0-3.0%4,688.2-7.6
ソフトバンクグループ5,2394,872.35,020-4.2%726-64.4

この日は酷かったです。。直前のNYダウが-4.4%の大幅ダウン。

7%が当選すれば利益は出ましたが、3%当選の方は3/5銘柄で赤字になってしまいました。。

コロナ相場では3%程度では参戦しない方が良い気がします。少なくとも、前日20:30に先物を見ることは必須でしょう。

ゲリラ2回目(2020/3/4水)

銘柄 前日終値 買値(7%off) 翌日始値 前日比 7%利益 3%利益
帝人 1,875 1,743.8 1,882 0.4% 547 248
ユニ・チャーム 3,375 3,138.8 3,499 3.7% 1,428 890
神戸物産 4,280 3,980.4 4,345 1.5% 1,444 762
ワークマン 7,160 6,658.8 7,350 2.7% 2,739 1,598
富士通 11,285 10,495.2 11,445 1.4% 3,761 1,963

コロナショック中でしたが、たまたま日経全体も1.4%上昇。

3%当選でも利益が出た幸運な日でした!

全銘柄の7%平均利益は1983円。次回は、、しばらくやらないでしょうね。

ゲリラ3回目(2020/3/27木)

銘柄 前日終値 買値(7%off) 翌日始値 前日比 7%利益 3%利益
日立製作所 3,132 2,912.8 3,272 4.5% 1,425 925
日本電産 11,305 10,513.7 11,750 3.9% 4,902 3,101
NEC 3,790 3,524.7 3,960 4.5% 1,726 1,122
アドバンテスト 4,305 4,003.7 4,490 4.3% 1,929 1,243
トヨタ自動車 6,718 6,247.8 6,980 3.9% 2,903 1,833

コロナショックは続いていますが、若干の反発があった直後に開催されました。

TOPIXも前日比1.6%だったため、3%当選でも利益が出ています!日本電産を7%OFFで購入できた人は、5000円近くの利益が出たすごい日でした。

ちなみにこの時期はこんな相場でした。

Yahooファイナンスを参照

ゲリラ4回目(2020/4/16木)

今回から、3%, 5%, 7%のそれぞれで利益が出たのかを計算します!

銘柄 前日終値 翌日始値 前日比 7%利益 5%利益 3%利益
信越化学工業 11,235 11,655 3.7% ¥4,778 ¥3,861 ¥2,985
ソニー 6,700 6,850 2.2% ¥2,417 ¥1,899 ¥1,381
東京海上HD 5,051 5,050 -0.0% ¥1,384 ¥986 ¥588
アサヒグループHD 3,498 3,561 1.8% ¥1,192 ¥913 ¥634
リクルートHD 2,764 2,861 3.5% ¥1,114 ¥915 ¥676

今回もすべてのパターンで利益が出てますね!良かった!


いかがでしたか?

前回の記事の注目度が非常に高かったので、今回も裏側を解説してみました。

不定期に開催されるそうなので、引き続きアップデートしていきます。

ブックマークいただけると嬉しいです。

興味がある方はぜひ口座開設してみましょう!

LINE証券

株のタイムセール自体は日本初の試みでした。なんでそんな事ができるのか?裏側の仕組みを解説しています。

今回のようなコアな内容は時事ネタに絡めて解説しています。SORも面白いネタでした。

ツイッター上では金融リテラシークイズを毎週出題しています。このときは「つみたてNISAは20年後にいくらになる?」という問題でした。


良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。

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まさ

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