こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
先日、東証で行われた特別講演『令和時代の「金融リテラシー」を考える』に参加してきました。
前半は日銀の雨宮副総裁のお話でした。日本の金融リテラシーの実態についてのお話でした。
後半はコモンズ投信の渋澤会長のお話でした。2024年から1万円札になる渋沢栄一の玄孫(4世代下!)の方です。お札に決まってからメディア露出が増えたので、あまり期待はしていなかったのですが、、
いい意味で裏切られました!
めちゃくちゃおもしろかったのでまとめておきます。
第二部は『論語と算盤』がテーマ
講師はコモンズ投信の渋澤氏です。
- 1961年生まれ
- 外資系金融機関や米大手ヘッジファンドの日本代表を務め、2001年に独立。
- 2008年にコモンズ投信を設立し、会長に着任。
2024年に1万円札になる渋沢栄一の著書『論語と算盤』を題材に、3つのテーマの話がありました。
金融リテラシーの根底になる話が多かったですね。
渋沢栄一はタンスが嫌い
日本では「タンス預金」は40兆円から50兆円あるそうです。縦に積むと宇宙に届くくらいの高さになるそう。
タンス預金は経済活動にまったく寄与しません。
逆に言うと、経済活動を刺激できる「資源」が大量にあるのも日本の特徴です。
仮に2%でも流通され始めると、野村證券以上の会社を興すこともできます。
「渋沢栄一(1万円札)をタンスに閉じ込めないでくれ」というユーモアのある表現で伝えていました。笑
「と」のチカラ
そもそも『論語と算盤』はこんな考え方です。
社会のためになる道徳に基づかなければ、本当の経済活動は長く続くものではない
「論語か算盤」という白黒はっきりという考え方だと、ビジネスもうまく回らないという話でした。
現代の言葉に置き換えると、
- 論語:サステナビリティ(持続可能性)
- 算盤:インクルージョン(包摂性)
2つを別々に考える「か」のチカラではなく、2つを一緒に考える「と」のチカラは重要です。
と、金融リテラシーというよりは日本全体を考えたお話でした。
資産形成はbackcastで考えよう
将来のことを予測するには2つの方法があります。
資産形成に向いているのは、backcastだそうです。
- 老後の生活費はいくら必要?
- 受給できる年金額は?
- 逆算すると60歳までにいくら必要?
- そのためには毎月の積立額は?
こんなふうに逆算思考で考えていかないと資産形成は失敗します。
確かに、今節約できる金額しか意識しないと、格安SIM導入のような抜本的な改善には移りづらいので納得です。
対談がめっちゃ面白かった!
対談は金融リテラシーに関する3つのトピックで、非常に面白かったです。
日本人の金融リテラシー力が低い原因は?
渋澤さん
金融では時間の軸が重要。
日本では「神様オンデマンド」な、その場限りで結果を出す傾向が強い。
海外は「日々の行いを神様が見ている」という、長期的な視点を持てているのも違いか。
雨宮さん
時間軸の感覚は確かに必要。
お金は汚いという文化を乗り越えられるくらいの「教育と経験」を提供しないといけない。
シニア層の金融リテラシーはどうすべき?
渋澤さん
人生100年は長い。95歳の新規契約者も「長期投資」目的で投資を始める時代。
高齢者の投資のイメージは「資本を投げる」になっている。「見えてる世界をvestにinする(invest)」イメージに変えていく必要を感じる。
雨宮さん
詐欺に遭う確率は金融リテラシーのレベルに比例する、という結果が出てる。高齢者も身につけるべき。
60歳だから遅いということはない。
若年層の金融リテラシーはどうすべき?
渋澤さん
キャッシュレス社会で「お金とポイント」の違いを理解させるのは難しくなりそう
日本の子供は何もしなくても「お小遣い」を貰えるが、私のアメリカでの幼少期はお手伝いの対価として「お礼」を貰った。労働と対価を意識させてから投資を理解すべき
雨宮さん
100年をフルに使えるので、時間軸を意識してほしい
「儲けるためのテクニック」ではなく「社会貢献や社会とのつながり」を金融教育としてやるべき。
非常にためになるセミナーでした!
特に「時間軸」の話は印象的でした。
日本人はお賽銭でも投資でも、すぐに結果を求める傾向にあります。
宝くじは最たる例で、一瞬で億万長者になれるわけないんです。じっくりと長期での資産形成をすることが重要になるでしょう。
長期投資をみすえたつみたてNISAがいくらになるのかを計算してみました。
令和の最重要キーワードは「少子高齢化」だと考えています。
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良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。
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まさ