こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
金融系やBtoBの企業では、株の売買をする前に勤務先に申請が必要になることがあります。これはインサイダー取引から従業員を守るに存在します。
一般的に投資信託は対象外ですが、細かいルールを押さえておく必要があるため、ツイッターでクイズを出してみました。
【第17回 #金融リテラシークイズ 】
— まさ@金育SE (@kinikuse) March 22, 2020
今回はインサイダー取引がテーマ🤔
自社株式やある銘柄の売買は規制されてる人も多いですが、実は知らない人もいるのでは?
「インサイダー取引規制の対象となる金融商品はどれ?」#金育
答えは「REITのみが対象」なので、あまり理解度は高くないようです。
制約のある会社のサラリーマンの方は、申請すべき取引がナニかを理解しておきましょう。
- インサイダー取引=抜け駆け取引だとわかる
- ETFと違い、REITがインサイダー取引だとわかる
会社によって株の売買を申請しなきゃいけない理由は?

インサイダー取引とは「不正な方法で知った情報で抜け駆け取引をすること」です。
業種によっては、他社情報に触れる機会の多い企業があります。例えば、証券会社や銀行、会計、広告、コンサルなどですね。彼らが何も知らずに株の売買をしてしまうと、故意でなくてもインサイダー取引の疑いをかけられることがあります。
大企業であればあるほど、「インサイダー取引の疑い」から従業員を守るために申請を課すことが多いです。
インサイダー取引とは?

東証のお硬い言葉ではこのように定義されています。
インサイダー取引とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社株等を売買することで、自己の利益を図ろうとするもの
東京証券取引所より引用
例えば、あなたがソフトバンクの役員と友人で飲みに行って、まだニュースになってない情報を知るとします。

ここだけの話、
来週から2兆円の自己株取得する予定なんだよね
この未公開情報を元に、株を買ってしまうと、インサイダー取引になり、罰金が課されます。まぁどうみても抜け駆けなのでやっちゃダメですね。
具体的な事例は、毎年証券取引等監視委員会が公開しているので、興味があればどうぞ。
家族も対象!
もう少し具体的な禁止事項をまとめるとこんな感じです。
- 会社関係者等や第一情報受領者が 【内部者】
- 上場会社等に関する 【株式の発行元】
- 重要事実を 【インサイダー情報】
- 知りながら 【故意】
- (重要事実が)公表される前に 【規制される期間】
- (上場会社等の)株式の取引を行うこと 【規制される行為】
今回の記事ではすべてを解説しませんが、「会社に申請するかどうか」に照らすとポイントは2つです。
- 本人だけでなく、家族(1次情報受領者)も対象
- 上場会社等に関する情報が対象
本人が知った情報をもとに、家族の証券口座で取引するのは当然ながら違法です。会社に申請する際は、隠れて取引している相方の分も申請した方が良いです。
上場会社等に関する情報については次のセクションでお話します。
会社に申請すべき取引を整理する

では本題に入ります。
インサイダー取引の対象になる商品がどうなるのかを見ていきましょう。
個別株はすべて対象
当然、個別株式は申請が必要です。
ちょっと注意が必要なのは、日本だけでなく海外の株式も対象である点です。AppleやGoogleの株もインサイダー取引の対象なので、申請が必要なケースが多いでしょう。
ETFや投資信託は対象外
ETF・株式投資信託は、原則として対象外です。
普通の投資信託は、非常に多くの個別株に同時に投資します。インサイダー取引規制の対象である「特定有価証券等」は「ある一企業の株券」を指しますが、複数企業が混ざっていないため対象外になります。
ただし、投資信託にはトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドのような一企業に偏ったものがあります。これらは当てはまる可能性が高いので、注意が必要です。
REITも対象
REITとは不動産投資信託のことを指しますが、インサイダー取引の対象です。
例えば、大江戸温泉リート投資法人というREITがあります。まさに大江戸温泉関連の不動産が投資対象になります。不動産がデフォルトするとか食中毒が起きたとか、インサイダー情報を元に投資をするのは当然犯罪になります。
なお、2016年から始まったインフラファンドも対象になるため、注意が必要です。
いかがでしたか?
- インサイダー取引は、不正情報で抜け駆け取引をすること
- インサイダー取引の規制対象は、勤務先に事前申請が必要なことがある
- 個別株式、REIT、インフラファンドは申請対象
- ETF、投資信託は申請不要
また、インサイダー取引は刑事罰の対象になるような重大な罪になります。悪質な取引をする方はいないとは思いますが、疑いをかけられるだけでも不都合が生じます。
自分の身を守るためにも制度の理解はしておきましょう。
第17回金融リテラシークイズは「教育費がいくらかかるのか」をテーマに詳細に分析しました。
第16回金融リテラシークイズは「投資すべき商品の選び方」を話しています。
第15回金融リテラシークイズは「リスクとは元本割れの確率?」という問題でした。
良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。
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まさ
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