必要保障額診断 — 全年齢スキャンの読み方
「万一のとき、家族にいくら遺せばいいのか」。多めに入れば安心な気はするけれど、保険料は毎月出ていく。かといって足りなければ意味がない。この加減を勘で決めている人は少なくありません。LIFIRE(開く)の必要保障額診断は、この問いに機械的に答えます。あなたが「何歳で亡くなったら」家族の資産がどうなるかを1歳きざみで全年齢スキャンして、不足する額を洗い出す仕組みです。
このページでは、まず診断を実行するまでの入力手順を追い、そのうえで結果のグラフや表をどう読むかを説明します。特定の保険をすすめる機能ではなく、あくまで「いくら足りないのか」を出すための道具です。保険商品の良し悪しには触れません。
この機能はベータ版です(開発中)
必要保障額診断は現在ベータ版として提供している開発中の機能で、画面にもベータ版の表記が出ます。計算ロジックや画面の構成は今後変わる可能性があるので、結果はあくまで目安として捉えてください。
対象画面
「必要保障額」タブ(サイドバーの「診断」グループ)
本人・配偶者を切り替えるタブはなく、診断条件の中の「死亡を想定する人」で本人か配偶者を選びます。配偶者かお子さんがいる設定でのみ開ける画面です。
このページで分かること
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診断を実行するまでに設定する6つの条件
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必要保障額が「生涯最小資産のマイナス分」である理由
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「保障がいらなくなる年齢」が示していること
診断を実行するまで
先に前提を2つ。まず、この診断は配偶者かお子さんがいる前提の機能です。どちらもいない設定だと「必要保障額診断は不要」と表示され、画面が開きません。もうひとつ、"診断を実行" ボタンは、先に通常のシミュレーション結果が出ていないとグレーアウトして押せません。 土台になる家計の試算があってはじめて「そこからどれだけ足りなくなるか」を測れるためです。まだ結果を出していない場合は、基本設定を一通り終えて試算を回してから戻ってきてください。なお、この診断はベータ版として提供されていて、画面にもその表記が出ます。
準備ができたら、 "診断条件" として6項目のアコーディオンを設定していきます。開いた順に見ていきます。
① 基本設定
まず "死亡を想定する人" を、本人(世帯主)か配偶者から選びます。配偶者を設定していない場合は、配偶者のボタンは押せません。
その下が "遺族の働き方プラン" です。想定した人が亡くなったあと、遺された側がどう働くかを、収入タイムラインと同じフェーズ形式で組みます。「フェーズを追加」で1件ずつ足せますが、ゼロから作るのが面倒なら "通常の働き方をコピー" ボタンが便利です。押すと、遺される側の通常プランの働き方フェーズがそのまま複製されるので、そこから遺族としての変化(時短にする、フルタイムに戻す等)だけを手直しすればいい形になります。各フェーズの詳細の入れ方は収入と同じです。
② 団信カバー率
住宅ローンを登録していると、そのローンごとに団体信用生命保険(団信)の "カバー率" をスライダーで設定できます。カバー率を100%にすると、死亡時にそのローンの残債が全額免除される計算になります。夫婦のペアローンで片方だけ団信が付いているケースは、ローンごとに0〜100%で刻んで実態に合わせられます。ローンを登録していないときは、この項目に対象は出てきません。
③ 住居変更
亡くなったあと、遺族が住まいをどうするかを設定する項目です。ここも "遺族の住居プラン" として住居フェーズを組む形で、②と同じく "通常の住居をコピー" ボタンで現在の住居プランを複製してから手直しできます。実家に戻る、賃貸に移る、家を売る、といった変化を織り込みたいときに使います。
④ 生活費削減
亡くなることで不要になる支出を、費目ごとに削減率のスライダー(0〜100%)で設定します。本人の小遣いやお酒代は100%近く減るかもしれないし、食費は人数ぶんだけ少し減る、といった具合に、費目ごとに現実的な割合を入れます。ここは「支出・イベント」タブで登録した生活費の項目がそのまま並ぶので、先に支出を入れておく必要があります。
⑤ イベントキャンセル
旅行や車の買い替えといったライフイベントのうち、亡くなったことで実施しなくなるものにチェックを入れて家計から外します。こちらも「支出・イベント」で登録したイベントが一覧で出るので、遺族が取りやめるであろうものを選ぶだけです。
⑥ 保険・給付金
最後に、遺族が受け取る保険金・給付金を登録します。 "給付金を追加" で1件ずつ足し、それぞれ一時金か年金かを切り替えて中身を入れます。一時金と年金で、選べる種別や入れる項目が変わります。
| 一時金 | 年金 | |
|---|---|---|
| 入れる金額 | 給付額 | 年額 |
| 種別 | 生命保険 / 死亡退職金 | 収入保障保険 / 遺児育英年金 |
| 受取人 | 配偶者 / 全相続人 | 配偶者 / 子 |
| 期間 | (一括) | 年齢指定 / 末子年齢指定 |
年金の支給期間で "末子年齢指定" を選ぶと、末子が満22歳になるまで支給される設定になります(年齢は22歳で固定です)。お子さんがいない設定のときは、年金の「遺児育英年金」と支給期間の「末子年齢指定」が選べません(グレーアウトします)。 子どものための給付なので、対象がいなければ出番がないためです。
なお、給付額は死亡保険金などが税・社会保険料の対象として再計算されるわけではなく、入れた額がそのまま遺族の収入に乗ります。受け取る保険金・給付金は、税金を差し引いた後の手取り額で入れてください。
条件をひととおり入れたら、「診断を実行」ボタンを押します。死亡年齢を1歳ずつ動かしながら家計を再計算するので、少し時間がかかります。進捗バーが100%になると、結果のグラフと表が出てきます。
1. 死亡年齢を全部ためしてみる
普通の保険の試算は、「今死んだら」の一点で必要額を出しがちです。でも、必要な保障は時間とともに変わります。子どもが小さいうちは大きく要るけれど、子が独立して資産も貯まった後ならそんなに要りません。この変化を見るために、LIFIREは死亡する年齢を1歳ずつ動かして、それぞれのケースで家計をまるごと再計算します。
スキャンする範囲は、末子の教育が終わる年齢(最大で24歳、大学院修了時)か、65歳か、そのどちらか若いほうまでです。 子どもが独立して自分も年金が見えてくるあたりで、生命保険で備える意味は薄れていくためです。この範囲を1年ずつ潰していくので、「何歳で亡くなると、いくら足りないか」の一覧が出てきます。
2. 不足額は「生涯最小資産のマイナス分」
診断結果でいちばん大事なのが、必要保障額の出し方です。これは、その年齢で亡くなったと仮定して家計を最後まで回したとき、生涯でいちばん資産が少なくなる瞬間がマイナスに沈むなら、その沈んだ分の絶対値、と定義されています。言い換えると、「途中で資産が底をつくなら、その穴を埋めるのに必要な額」です。
この計算には、公的な保障もちゃんと入っています。 遺族基礎年金、遺族厚生年金、中高齢寡婦加算といった遺族年金に加え、遺された配偶者自身の働き方(収入)や将来の老齢年金まで織り込んだうえでの、最終的な不足額です。公的保障をノーカウントで計算する試算とは、前提から違う数字が出ます。
結果画面には「今死んだ場合の遺族収入」のグラフも出て、生命保険の一時金・死亡退職金・遺族年金などが遺族の年齢とともにどう積み上がるかを色分けで見せてくれます。何がいくら家計を支えているのかを目で追えます。
3. 「保障がいらない年齢」に注目する
診断の概要には、3つの数字が並びます。「最大必要保障額(何歳時点で最も足りないか)」「診断範囲」、そして「不足がない年齢」です。
このうち見落とされがちなのが、3つめの "不足がない年齢" です。 これは、その年齢で亡くなっても資産が底をつかない、つまり保障がなくても大丈夫な年齢が何年分あるかを示しています。ここが出てきたら、その年齢以降はもう生命保険で守る必要が薄い、という目安になります。保険は「いつまで必要か」も同じくらい大事です。
年齢ごとの必要保障額は、棒グラフと表の両方で確認できます。表はCSVで書き出せるので、手元でじっくり眺めたり、家族と相談したりするのに使えます。数字が出そろえば、「今の保険は多すぎるのか、足りないのか」を、勘ではなく残高で語れるようになります。
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必要額の物差しができたら、次は今入っている保険や医療費の設定を見直してみましょう。診断で出た数字と、実際に払っている保険料を突き合わせると、過不足がはっきりします。