こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
なんでこんなにお金が無いんだろう。
疑問に思ったことはありませんか?私はあります。
この世界には「持つもの」と「持たざるもの」の格差が存在します。 この経済格差について分析したのが、700ページ以上にわたる『21世紀の資本』です。
ただ、、めっちゃ長いんですよね。
『まんがでわかるピケティの21世紀の資本』だとサクッっと分かるので非常に読みやすいです。なんと!2020/5に映画化しちゃってるので思い切って読んでみました。
『まんがでわかるピケティの21世紀の資本』の概要
原著はこんな内容です。
資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、資本主義は自動的に、恣意的で持続不可能な格差を生み出す。本書の唯一の目的は、過去からいくつか将来に対する慎ましい鍵を引き出すことだ。
「BOOK」データベースより
めちゃ難しいのが伝わりましたね?笑
これをわかりやすくストーリー仕立てにしてくれるのが私が読んだ本ですね。
ざっくり3つのポイントに絞ってご紹介します。ただ、漫画でサクッと読めるので、図書館とか楽天とかで探してみてもいいと思います!
「r>g」という超有名な法則
「r>g」は本書で1番有名な法則です。
格差拡大の要因を過去データから分析すると、「r>g」が成り立つと紹介されています。
- 「r」は資本の収益率(投資して増える量)
- 「g」は経済の成長率(いわゆるGDP増加率)
- 「r」は常に「g」を上回っていたのが歴史的事実
端的に言うと、「働いて稼ぐお金(g)より資産運用で増えるお金(r)の方が常に多いぞ!」ってこと
経済成長率が今後爆発的に増加することはありません。ピケティいわく1%水準へ収束する公算だそうです。つまり、私達の給料も劇的な増加は見込めません。
本書の主人公も「生きたお金の使い方」を進められていました。まずは資本を増やし、そのお金に働いてもらうという、資本収益率(r)を活用する考え方です。
本の中で出てきたグラフも衝撃的でした。
経済成長率(g)は0%→4%→2%と変動しているのに比べて、資本収益率(r)は概ね4〜5%で安定していたようです。
偶然にも「リターン5%程度」という私の運用目標とも概ね一致してます。無理のない運用計画だということで安心しました。笑
所得格差の現状と「累進資本課税」
ピケティが一番伝えたかったのはこの累進資本課税の導入で、格差是正を図るべしという点です。
本書では、勝ち組と一般人の所得格差がどれくらいあるのか、紹介されています。
富裕国全体で見ると上位10%が全労働所得の25〜30%を稼いでおり、これは下位50%の人たちの取り分とも等しいとピケティは総括する。
『21世紀の資本』p.274
毎年の労働収入ですら格差があるってこと。社長とかがめっちゃもらってるのはコレが原因です。
しかも「r>g」の法則に照らすと、トップ層は既に持ってる資産からの資産収益もたくさんもらえます。
毎年のように、格差はぐんぐん進んでいるのが現状です。
格差是正は「所得課税」よりも「資本課税」
格差を放置するとどうなるのでしょうか。
はい、負のスパイラルです…
格差是正のための方策はいくつか提示されていますが、税金の活用を推奨しています。特に資本(株券や不動産)への累進課税です。
100年ほど前は累進課税制度なんてなかったので、武家生まれの人に農民が追いつくのは不可能でした。
ただ、現代は違います。社長は40%の所得税を取られるので、従業員との格差が少しだけ縮まりやすいのです。とはいえ、それは給与格差の「g」の話。
資本収益である「r」の格差を減らすための制度を提唱してます
これなら、格差が縮小するという主張ですね。
まぁ…無理でしょうけどね。。
この制度を導入するためには、政治家に低所得者の味方をして貰う必要があります。でも日本では20代の投票率は60代以降の半分以下です。
金持ちばっかが投票してる状況じゃ絶対無理。笑
しかも、日本だけ法律が変わっても、資産家は海外にお金を移すだけです。全世界で同時に法律を整備するのは、、まぁ無理でしょうね。
主人公が「労働収入」から抜け出すストーリー
最後に、ストーリー全体が良いと感じました。
本書の主人公は一般職の「持たざる」女の子です。
倒産しそうな会社にしがみつきながら、何の疑問も抱かずに過ごしています。ただ、ひょんなことから「持つもの」である資産家が作った文鳥コミュニティに参加。笑
するとアレヤコレヤと経済について勉強し始めて、会社をやめ、「持つもの」を目指して事業を建てる…。そんな現実感のない夢物語です。
冒頭の会話はとっても現実感あったんですよね
経営者「だから僕たちはできるだけ資本収益を増やしていくことを目指すべきなんだ。さもないといつまで経っても働いた分だけをもらう生活から抜け出せないから。」
主人公「(そんなこと考えたこと無い…)私はどうすれば?」
投資家「結局は自分次第。個人も国の経済も。」
『まんがでわかるピケティの21世紀の資本』 23,24ページ
どっかでよく見る会話です。そう、「お金不安だけど何すればいいかわかんないー」な人多いですよね。
この本は「脱サラ起業」という突拍子もない方法が紹介されています。でも誰でも選べる選択肢ではではありません。
本書の「持つもの」は何種類か出てきます。
どれも「資産」を作ってそこから得られる資本収益で生活しています。「r>g」の法則をフル活用です。
あなたにあった資産形成の方法は必ずあるはずですが、私は株式投資をしています。インデックス投資ならメンテナンスの手間も少ないので手軽な方法です。
原著700ページ越えに対して漫画で175ページなので、かなり省略されています。でも、エッセンスは読み取れた気がします。
ピケティさんが伝えたかったことへの勘違いが解けたのは収穫でした。
読む前は「労働意味ないから投資しろよ!」がメッセージだと勘違いしてました。
でも本当は「放ったらかすと格差は拡大するのを認識して。で、個人ができることを考えよう!」という前向きなメッセージでした。
難しくてとっつきにくい印象でしたが、「r>g」の大枠を理解できました。わかりやすかったので読んでよかったです。
最近読んで良かった本第一位は『転職の思考法』です。コレを読んで転職しないことを決意しました。笑
投資本で鉄板におすすめなのは『ほったらかし投資術』です。
日本の格差の現状を知る意味では『親リッチ』も衝撃でしたね。。
良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。
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まさ