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FIREの現金クッション、持つだけでいい?暴落時に使うとお金が尽きる確率はどう変わるか
この記事で伝えたいこと
FIRE後の現金は、持っているだけではなく「いつ使うか」まで決めておくこと。
暴落時に現金を生活費へ回す取り崩し方へ変えると、同じ資産配分でもお金が尽きる確率が下がる結果になりました。
資産配分だけを決めて終わりではなく、取り崩し方までセットで考える必要があるという話です。
こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
少し前に、4資産均等型でFIREしたらどうなるかをLIFIREで検証しました。
その記事をきっかけに、ななしさんとXでやり取りしていたときのことです。
FIRE後の現金クッションについて、気になる一言をもらいました。
私は前の記事で、FIRE後は現金から先に使って、その後に特定口座、NISAへ進むような説明をしていました。だったら暴落時も、現金がクッションになっているはずです。
気になって計算の中身を追い直しました。
説明していた取り崩し方と、実際の計算の動きにズレがありました。
完全に私の確認不足です。。ななしさんは「感覚でリプした」と言っていましたが、その一言にかなり救われました。ありがとうございます。
この記事で分かること
- FIREで現金クッションを持つ意味
- 暴落時に現金を使う取り崩し方
- 同じ条件でも、現金の使い方でお金が尽きる確率がどこまで変わるか
ななしさんの一言で「FIREの現金クッション」を見直した
生活防衛費2年分持ってる人はシーケンスリスクほぼ無効化できそう(ワイは1年分しかない😇)
— ななし August 30, 2026
この一言が引っかかった理由
これを見て、「確かに……?」となりました。
もし現金を2年分持っていて、暴落中の生活費をそこから出せるなら、そのあいだ株を安値で売らなくて済みます。
でも、LIFIREの計算は本当にそう動いているんだっけ?
見直したら、私が思っていた「暴落したら現金を使って株を温存する」という動きとは少し違っていました。
LIFIREの計算を確認したら、想定していた取り崩し方と違っていた
これまでの計算は、現金を一定額残すことを重視する動きでした。
現金をクッションとして持ちながらも、減ったら補充する方向に動く。ポートフォリオの中に一定の現金を置き続ける考え方としては成立します。
でも、私が「FIRE後の現金クッション」と聞いてイメージしていたのは別でした。
相場が悪いときこそ現金を使って、安くなった株を売るのを避ける。
こっちです。
Xでのやり取りがなかったら、たぶんそのまま気づいていませんでした。作った本人が一番分かっている、とは限らないんですよね。。
【前提】FIREで現金クッションを持つのはなぜ?
FIRE直後の暴落で怖い「シーケンスリスク」とは
シーケンスリスクは、同じ平均リターンでも「良い年・悪い年がどの順番で来るか」で、取り崩しの結果が変わる問題です。
FIREした直後に大きな下落が来ると厄介です。生活費は相場に関係なく必要なので、下がった資産を売って現金を作らないといけません。
100万円ぶんの生活費が必要だとして、株価が半分になっていれば、同じ100万円を作るために売る口数は単純に増えます。
その後に相場が戻っても、売っちゃった株は戻ってきません。
FIRE後は「何%で増えるか」だけでなく、「悪い年に何を売るか」も効いてきます。
現金クッションは、暴落時に株を売らないために使う
私は昔から、生活防衛資金はかなり大事だと思っています。
生活防衛資金の記事でも、暴落中に現金が必要になって資産を不本意に売る状況を避けるための「守りのお金」と書いてきました。
FIRE後も考え方は似ています。
現金を持っている意味は、残高を眺めて安心するためだけじゃない。必要なときに実際に使って、株を売らない時間を作るためです。
もちろん、現金があればシーケンスリスクをゼロにできる、とまでは言いません。暴落が長引けば現金は尽きますし、現金を多く持つほど投資に回る資産は減ります。
この前の記事では、現金を何%持つかの前に「何のために持つのか」を考えました。今回はその続きです。
でも「何%持つか」と同じくらい、「いつ使うか」は大事。今回ここを計算に入れ直しました。
LIFIREで現金クッションの取り崩し方を見直した
これまでは「現金を一定額維持する」取り崩し方だった
これまでのLIFIREには、現金の目標額を保ちながら取り崩す考え方が入っていました。
ざっくり言えば、現金を減らし切らず、一定額を残しておく方式です。
このやり方にも意味はあります。現金をポートフォリオの一部として持ち続けたいなら、変な考え方ではありません。
ただ、暴落したときに使うための現金と考えると、私は違和感がありました。
暴落時に現金を優先して使えるようにした
そこで、現金を取り崩し用のクッションとして使う方式を追加しました。
考え方はシンプルです。
| 相場が悪いとき | 現金の扱い | 投資資産 |
|---|---|---|
| 現金を維持する | 一定額を残す | 必要に応じて売る |
| 現金をクッションとして使う | 生活費に回して減らす | 安値売りをできるだけ避ける |
現金を「持つ資産」から「使う資産」として扱う選択肢を増やした、というのが今回の変更です。
新しくLIFIREでシナリオを作る場合は、こちらの「現金をクッションとして使う」考え方を基本にしています。
【検証】現金クッションの使い方でお金が尽きる確率はどう変わる?
同じ条件で、取り崩し方だけ変えて比較
せっかくなので、4資産均等型の検証を同じ条件でもう一度回しました。
家族構成、生活費、住居、車、年金、資産額、投資先、リターンの前提はそのままです。変えたのは現金の使い方だけ。
検証条件(4資産均等型の記事と同じです)
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| 年齢・家族 | 40歳夫婦・子ども2人 |
| 金融資産 | 1.8億円の架空モデル |
| 現金比率 | 9% |
| 比較する投資前提 | 外国株100%/4資産均等(LIFIRE標準)/4資産均等(ななしさん53年実績) |
| 計算期間 | 100歳まで |
| 試行回数 | 2,000回 |
数字は私自身の資産ではありません。4資産均等型の記事と条件を揃えるための架空モデルです。
誤差。 確率は2,000回の試行から出しています。同じ条件でも乱数の並びで±2ptほど揺れるので、この記事の数字を1ポイント単位で読まないでください。
税金・年金・引出率の前提も4資産均等型の記事と同じです。年金は割引なし(制度が今のまま維持される前提)、LIFIREが表示する引出率に教育費と車の維持費は入っていません。
結果はこうなりました。
お金が尽きる確率は49%から39%、11%から6%へ
| 投資前提 | 現金を維持 | 現金をクッションとして使う |
|---|---|---|
| 外国株100% | 20% | 15% |
| 4資産均等・LIFIRE標準 | 49% | 39% |
| 4資産均等・53年実績 | 11% | 6% |
※100歳までに金融資産が尽きる確率。各条件2,000回のモンテカルロシミュレーション。
3ケースとも、現金をクッションとして使う方が低くなりました。
一番差が大きかった4資産均等・LIFIRE標準では、49%から39%。同じ家族、同じ1.8億円、同じ資産配分です。
変えたのは、現金をどう使うかだけ。
これ、思っていたより大きかったんですよね。
資産配分が同じでも「現金の使い方」で結果が変わった
4資産均等型の記事では「外国株100%か、4資産均等か」「どのリターン前提を置くか」を見ていました。
今回やってみて分かったのは、その一段後ろです。
何を持つかが同じでも、どう取り崩すかで結果が変わる。
49%が39%になったから「これで安全」と言いたいわけではありません。39%でも、私ならかなり高いと感じます。
6%になったケースも、ななしさんの53年データという別の前提を置いた試算です。どの数字が未来の正解かは分かりません。
でも、比較の意味はあります。同じ前提の中で現金の使い方だけを変えたら、3ケースとも結果が動いた。ここはかなり素直な結果だと思っています。
【まとめ】FIREの現金は「何%持つか」だけでは決まらない
資産配分と取り崩し方はセットで考える
FIREの資産配分というと、「株何%、現金何%?」に目が行きます。
それだけだと半分でした。
FIRE後は、その現金をいつ使うのかまで決めておく。
現金を一定額残し続けるのか。相場が悪いときに生活費として使うのか。同じ現金でも役割が変わります。
資産配分と取り崩し方は、セットで考えた方がいい。
今回、自分で作ったLIFIREを見直して、そこを改めて学びました。人に言われて気づいたのがちょっと悔しいですが(笑)、気づけたので良しとします。
私なら現金を「暴落時に使うクッション」として持つ
私なら、FIRE後の現金は暴落時に使います。
せっかく現金を持つなら、相場が悪いときに株を売らずに済む時間を買いたいからです。
ただし、現金を何年分持つかは別の話です。生活防衛資金なのか、FIRE後の安全資産なのかでも考え方が変わります。
奇しくも、似たようなタイミングで友人とキャッシュ比率の話をしました。
そちらでは「現金を何%持つか」より先に、何のために持つのかを考えました。今回はさらにその先の「その現金をいつ使うのか」という話です。
現金は、持つ量だけ決めれば終わりじゃないんですよね。何のために持って、いつ使うのか。そこまでセットで考えておきたいです。
ななしさん、改めてありがとうございました。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
良い機会なので、私と一緒にお金の勉強を始めませんか。
まったり更新していくので、X(@kinikuse)もフォローいただけると幸いです。
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