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キャッシュ比率は何%が正解?考えたら生活防衛資金しか見ていなかった
この記事で伝えたいこと
「リスク資産とキャッシュの比率って何%くらいがいいの?」と友人から聞かれたので、改めて考え直してみました。
こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
先日、長い付き合いの友人が家族で遊びに来ました。お互い投資をしているので、その話をしていたときに聞かれたんです。
「リスク資産とキャッシュの比率って、何%くらいがいいの?」
その場では、30%くらいかなぁ……と考えました。
でも、なんか変なんですよね。
資産500万円なら、現金30%で150万円。これは分かる。でも資産が5億円なら、30%で1.5億円です。
1.5億円も現金で持つ必要ある?
この違和感から考え始めたら、そもそも私は「キャッシュ比率」という言葉をちゃんと分けて考えていなかったことに気づきました。
私が考えていたキャッシュは、ほぼ生活防衛資金だったんです。
一方で、投資資産全体の値動きを抑えるために、株式以外の資産を組み合わせる考え方もあります。現金を持つこともその一つですが、債券などを含めて考えるなら、これは「キャッシュ比率」というより資産配分の話です。
同じように見えて、目的が違いました。
この記事で分かること
- 生活防衛資金を「何%」で決めると違和感が出る理由
- 資産配分を比率で考える意味があるケース
- 私が「生活防衛資金以外はオルカンでいい」と考えていた理由
生活防衛資金を30%で決めると変になる
最初に引っかかったのは、キャッシュ比率を固定すると、資産が増えるほど現金も勝手に増えていくことでした。
仮に現金30%をずっと守ると、こうなります。
| 総資産 | 現金30% |
|---|---|
| 500万円 | 150万円 |
| 5,000万円 | 1,500万円 |
| 5億円 | 1.5億円 |
500万円の人が150万円を現金で持つ。生活を守るお金として考えても、そこまで変には感じません。
でも、5億円の人が1.5億円を現金で持つとなると、私は「多すぎない?」と思いました。
生活費が資産額と同じペースで増えるわけではないですからね。
資産が10倍になっても、毎月の生活費まで10倍になるとは限りません。それなのに「現金30%」だけを守れば、必要かどうかに関係なく現金も10倍になります。
生活を守るための現金を決めたいなら、総資産に対する比率で考えるのは変じゃないか。
最初に思ったのはこれでした。
考えていたのは、結局「生活防衛資金」だった
生活防衛資金は、収入が止まったり急な支出が出たりしても、投資資産を慌てて売らずに生活するためのお金です。
海外の大手金融機関では、必要生活費の3〜6か月分を緊急資金の一つの目安として紹介しています1。もちろん、これは誰にでも当てはまる正解ではありません。
このブログでも以前、生活防衛資金は毎月の生活費と必要な期間から考えるという整理をしています。
生活防衛資金なら、比率ではなく必要額で考える
私の場合、会社員として普通に働いているときなら、生活費1年分くらいを現金で持っていれば十分かなと思っています。
半年ではなく1年にしているのは、一般的な正解だからではありません。3〜6か月という目安もある中で、私は収入が止まった後の余裕をもう少し長く取りたい。それで1年分にしています。
生活防衛資金として考えるなら、総資産が増えたからといって自動的に現金も増やす必要はありません。見るべきなのは、毎月いくら使うのか、収入が止まったときにどれくらい耐えたいのかです。
生活防衛資金は「資産の何%」ではなく、「何かあったときに何か月暮らせるか」で考える方が私にはしっくりきます。
ここまで考えて、やっと気づきました。
私が友人の「キャッシュ比率は?」という質問に答えようとしたとき、頭の中ではずっと生活防衛資金の話をしていたんですよね。
そりゃ、資産5億円で現金1.5億円に違和感を持つわけです。
でも、比率で考える意味もあった
調べてみると、生活防衛資金とは別に、ポートフォリオ全体の値動きを抑えるという考え方がありました。
Vanguardは、ポートフォリオに現金をどれくらい持つかを考える要素として、リスク許容度や運用期間、目標の達成状況などを挙げています2。現金を増やせば値動きを抑えやすくなる一方、長期では期待できるリターンが下がる可能性もある。そういうトレードオフです。
暴落時のクッションは「現金」だけではない
たとえば、株式100%で運用していて大きな暴落が来たとします。
資産が大きく減るのを見て耐えられず、怖くなって売ってしまう。それなら最初から株式以外の資産も組み合わせて、ポートフォリオ全体の値動きを抑える考え方があります。
ここで使うのは現金だけとは限りません。債券なども候補になりますし、それぞれ値動きや金利の影響など性質は違います。この記事では個別の商品を選ぶところまでは踏み込まず、「生活費として置く現金」と「投資全体の値動きを抑えるための資産配分」は別の話として整理します。
| お金を持つ目的 | 何を基準に考えるか |
|---|---|
| 生活を守る、近いうちに使う | 必要な金額 |
| 投資全体の値動きを抑える | 資産配分の比率 |
Schwabも、緊急資金や近い支出のための現金と、ポートフォリオのリスクを下げるための現金を分けて説明しています3。
「キャッシュ比率は何%?」という質問が変だったわけではありません。私が勝手に「生活防衛資金はいくら?」と読み替えていたんです。
この違い、今まであまり意識していませんでした。
私は「生活防衛資金以外はオルカンでいい」と思っていた
今回いちばん自分で「ああ、そういうことか」と思ったのはここです。
私は、生活防衛資金など必要な現金を確保したら、残りはオルカンなどのリスク資産に回せばいいと思っていました。
今も基本的にはそう思っています。
だから「キャッシュ30%」と聞いたときも、その30%を生活防衛資金として見ていました。資産が増えるほど生活防衛資金まで増えるのは変なので、比率で持つ意味が分からなかった。
でも、相手が求めているのが「暴落しても資産全体の減り方を少し小さくしたい」ということなら話は別です。
値動きを抑えるために株式以外の資産を組み合わせるなら、比率で考えること自体に意味があります。
私はその発想がかなり薄かったんですよね。
オルカンだって普通に大きく下がります。生活防衛資金を確保しているからといって、残りを株式中心にするのが全員にとって良いわけではありません。暴落時に怖くなって売ってしまうくらいなら、最初から値動きを抑えた方が続けやすい人もいると思います。
以前、オルカンなどのインデックス投資を続けてきて、自分の投資は成功だったかを考えたときも、私は「下げ相場で耐えられずに売っていたら失敗だった」と書きました。
結局、持ち続けられることはかなり大事です。
私は今のところ、生活を守る現金を別に確保して、そのうえでリスク資産寄りにする方が自分には合っています。
全員そうすればいい、という話ではありません。今回しゃべっていて、自分はかなりリスクを取る前提で考えていたんだなと初めて自覚しました。
育休中の今は、現金を少し多めに持っている
そんな私も、今は普段より現金を多めに持っています。
理由は育休です。
育休に入ると、給与や給付金の入金タイミングが普段と変わります。私自身、しばらく給与が入らない期間を現金でつなぐ前提で考えていました。
投資資産を売れば生活できるとしても、入金が遅れるたびに売るのはめんどくさい。相場が下がっているタイミングなら、なおさら売りたくありません。
なので今は、普段より少し厚めに現金を置いて、そのままにしています。
以前は逆に、現金を減らしすぎていました。クレジットカードの支払日前になると、銀行口座のお金を右から左に動かす。足りるかな、こっちから移すか……を何度もやっていました。
あれ、地味にしんどいんですよね(笑)
投資に回せるだけ回せば効率はいいのかもしれません。でも毎月お金を移して気にするくらいなら、私は少し多めに置いておきたい。
現金の必要額は、一度決めたら一生固定でもありません。収入の入り方や家族の状況が変われば、必要な額も変わります。
今の私は、育休という理由があるから少し多め。ただそれだけです。
「現金は何%?」より先に考えたいこと
友人に同じ質問をされたら、今ならいきなり「30%くらい」とは答えません。
まず、何のための現金なのかを聞くと思います。
生活を守るためなら「いくら必要か」
収入が止まったとき、何か月分あれば安心できるのか。近いうちに大きな支出はあるのか。
生活を守るためなら、総資産の何%ではなく、必要な生活費から金額を決める。私はこっちです。
暴落に備えるなら「どれだけ値動きを減らしたいか」
株式中心の資産が大きく下がっても持ち続けられるのか。無理そうなら、株式以外の資産を組み合わせてポートフォリオ全体の値動きを調整する。
この場合は「資産のうち何%を株式以外にするか」という比率の考え方が出てきます。
生活を守る現金と、投資の値動きを抑えるための資産配分は別の話でした。
私はこの2つをごちゃっと一緒にしていたんですよね。
まとめ
「キャッシュ比率は何%が正解?」と聞かれて考え始めましたが、私の答えは「まず比率を決めない」です。
生活防衛資金なら、必要な生活費から金額を決める。暴落時のクッションが欲しいなら、資産全体の値動きを見ながら株式以外をどれくらい組み合わせるか考える。
そして私は、前者を確保したら残りはオルカンなどのリスク資産でいい、という前提をかなり強く持っていました。
だからキャッシュ比率30%に違和感があった。
友人に聞かれたときには、そこまで自分でも分かっていませんでした。話して、調べて、やっと整理できた感じです。
現金を何%持つかで悩んだら、その前に「この現金に何をしてほしいんだっけ?」と考えてみてください。私はそこを飛ばしていました。
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投資の最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
-
Fidelity, “Emergency fund: What it is and why you should have one”, 2026-07-16. 必要生活費の3〜6か月分を緊急資金の目安として紹介。 ↩
-
Vanguard, “A framework for considering cash in your portfolio”, 2024-04-25. ポートフォリオに現金を組み入れる際の判断要素と、安定性・期待リターンのトレードオフを解説。 ↩
-
Charles Schwab, “Limitations and Conflicts”. 緊急資金・既知の支出と、ポートフォリオの安定性を目的とする現金を分けて整理。 ↩



