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車の維持費 年71万円。FIREでお金が尽きる確率が31%から36%に上がった

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この記事で伝えたいこと

車1台の維持費 年約71万円が、FIREの計算にどれだけ乗るのかを計算しました。40歳夫婦・子ども3人の架空のモデルで、車あり・車なしを両方回すと、1.5億円で完全リタイアした場合の「お金が尽きる確率」は31%から36%へ。資産1億円だと69%から76%です。

LIFIREで車ありと車なしを比べる

こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。

小さい子どもがいて、車のない生活って、私にはちょっと想像できないんですよね。休みの日に出かけるのも、雨の日の送り迎えも、実家に帰るのも、全部車です。無いなら無いで何とかなるんでしょうけど、その「何とか」の絵が浮かばない。

でも、家計に重いことだけは分かっています。この記事で計算するモデル世帯の車は、維持費が年約71万円。月にならすと約5.9万円です。この固定費が「仕事を辞められるかどうか」にどれだけ効くのか、確率という形で見たことは、私もありませんでした。

計算に使ったモデル世帯

40歳の共働き夫婦。子どもは8歳・4歳・3歳の3人。5人で動くので、車はSUVかミニバンを1台。子ども3人を育てながら40歳でFIREできるかを計算した記事で使った架空の家族を、そのまま持ってきています。

我が家はこの家族ほど子だくさんではないけれど、「車がないと動けない」という感覚だけは、たぶん同じです。

先に書いておくと、以下の条件はぜんぶ架空のモデルケースで、私自身の数字ではありません。私の資産額は内緒。笑

車検の金額が、ずっと同じなのが気になっていた

きっかけは検証ではなくて、うちの車の車検でした。

初回の車検は10万円だったんです。ところが次はいくらか聞いてみたら、「14万円は見込んでおいてください」とディーラーに言われまして。あれ、と思ったんですよね。でも言われてみればそりゃそうで、年数を重ねるほど交換する部品は増える。

それで自作のシミュレーター LIFIRE を開いたら、車検の費用が何年目の車でもずっと同じ金額で置いてありました。3年目も10年目も同じ。これでは後半を軽く見積もりすぎです。

というわけで、車検費用が車の経過年数に応じて変わるようにしました。 新しいうちは基準の0.8倍。そこから少しずつ上がって、18年目には2.0倍になります。

このモデルの車で実際に出てくる金額はこうです。

  • 3年目: 約17.9万円
  • 7年目: 約25.0万円
  • 9年目: 約27.2万円

9年目は3年目の1.5倍。10年で買い替える前提なので、1台目の後半はこのくらいの水準で効いてきます。「車検が安く済む」話ではなくて、乗るほど後ろが重くなる、という話です。

LIFIREの維持費・固定費設定画面。車検費用目安の下に「次回車検=経過3年時点の想定。経過年数に応じて増加します。」と表示されている

設定画面はこんな見た目です。車検費用の欄に「経過年数に応じて増加します」と出るようにしました。なお画面に写っている金額は設定例で、この記事のモデルの数値とは別物です。

車がない生活を、計算で作ってみた

この直しをやりながら、ふと思ったんです。そもそもこの家族に車がなかったら、数字はどうなるんだろう、と。想像できないなら、計算で作ってしまえばいい。

動かしたのは車の有無と資産水準の2つだけ。あとの設定は全部同じです。

項目 設定
年齢・家族 40歳夫婦/子3人(8歳・4歳・3歳)
金融資産 1.5億円(資産1億円のケースも別に検証)
生活費+住居費 月約43万円(基礎生活費+養育費3人ぶん+家賃)
子どもの進路 小中高は公立、大学から私立文系
SUV/ミニバン1台(2023年式)/維持費 年約71万円
試算の前提 期待リターン7.0%・リスク18.0%・インフレ1.5%/100歳まで/2,000回
確率の読み方と、計算に入っていないもの(大事な注意)

数字はぜんぶモンテカルロ2,000回の結果です。乱数の並びが毎回違うので、同じ条件でも±2ptくらいは揺れます。「35%と36%はほぼ同じ」「31%と36%は違う」くらいの粒度で読んでください。

年金は割引なしで、制度が今のまま維持されて満額もらえる前提です。ここを削ると数字はもっと悪くなります。

それと、LIFIREが画面に出す引出率は生活費と住居費だけを資産で割った数字で、教育費と車の維持費は分子に入っていません。表示される引出率より、財布はずっと重いです。

車1台で、尽きる確率はどれだけ動くか

車あり・車なしの生活を左右で対比したイラスト。左は5人家族がSUVで出かける様子、右は同じ5人が買い物袋を持って歩き、背景にバスが走っている

先に答えを書きます。年71万円の車を1台足すと、1.5億円で完全リタイアした世帯のお金が尽きる確率は31%から36%に上がりました。

年71万円の中身

SUV/ミニバン1台(2023年式)の年間コスト

  • 駐車場: 15,000円/月(都市部の統計値)
  • ガソリン: 12,000円/月(同上)
  • 整備費: 約8,241円/月
  • 車検: 約17.9万円(3年目の金額。後年は上がります)
  • 自動車税+任意保険: 約10.4万円/年

合計 年約71万円

このほか2033年に1回買い替え(純支出 約359万円)。第3子が中学を卒業する2039年3月まで乗って、翌月に売却します。売却額は残価をざっくり1割で置いた簡略計算なので、そこは厳密ではありません。

年71万円は、上がっていく車検代をならした平均だと思ってください。月にすると約5.9万円。「駐車場代とガソリン代」だけを見ていると2.7万円の感覚ですが、車検・税金・保険・整備を足すと倍になります。

13年乗ると、いくら払うことになるのか

このモデルの家族が車に乗るのは、2026年から2039年3月まで。第3子が中学を卒業する月までで、約13年です。

年約71万円(711,596円)を13年ぶん積むと、維持費だけで約925万円。ここに2033年の買い替えの純支出 約359万円を足すと、約1,280万円になります。

ただしこの総額は、この記事に載せた内訳を単純に積み上げた概算で、シミュレーターが出した生涯コストではありませんし、2039年の売却で戻ってくる分も引いていません。

車あり・なしで並べると

同じ条件から車だけを抜いて回した結果と、並べてみます。

約1,280万円の負担が乗った結果がこれです。1.5億円の世帯は31%から36%、1億円の世帯は69%から76%。 同じ年71万円なのに、資産が薄い世帯のほうが重く乗ります。

考えてみれば当たり前で、1.5億円の世帯にとっての年71万円と、1億円の世帯にとっての年71万円は、財布に占める重さが違うんですよね。余裕がない側ほど、同じ固定費が効く。 生活費を削る話でも同じことが起きるんだと思いますが、そっちは回していません。

念のため、車をやめろという話ではありません。私自身、さんざん悩んだ末に車を買った側の人間ですし、子どもを乗せて動く生活に車がいらないとも思わない。ただ、固定費1つでここまで動くとは、自分で回してみるまで分かっていませんでした。

自分の車種と自分の駐車場代で回したい人は、このモデルをそのまま配ってあります。取り込み方から2,000回の再実行までの手順は、子ども3人のFIRE記事にある再現チュートリアルにそのまま書いてあるので、そちらをどうぞ。ファイルは1.5億円版1億円版の2つで、どちらも車ありの状態です。「車両」タブから登録済みのSUVを削除して回し直すと、この記事の「車なし」が出ます。画面に出るのはFIRE成功確率のほうなので、100から引いて読み替えてください。

そのほかのアップデート

シミュレーションの開始月を更新できるようになりました

LIFIREは「シミュレーションを始める月」を起点にして、そこから先の家計を計算しています。この開始月を、設定画面から今月に更新できるようになりました。適用する前に、どこが変わるかを確認する画面が出ます。

あわせて、開始月と現在の月がズレている場合は画面にお知らせが出るようにしました。プランを作ってから月をまたいで使っている人は、一度更新しておくと今の時点を起点にした試算になります。

目的別のお金にも、値動きのブレを反映しました

目的別に貯めているお金(持株会や、学資保険代わりの積立など)にも、ほかの資産と同じように値動きのブレを反映するようにしました。そのぶん、成功確率はこれまでより厳しめに出ます。 モンテカルロを再実行するだけで反映されます。

まとめ

持ち帰ってほしい数字は、2つだけです。

ケース お金が尽きる確率 感想
1.5億円で完全リタイア・車なし 31% 厳しい
1.5億円で完全リタイア・車あり 36% もっと厳しい

年71万円は、月にならすと約5.9万円。家計簿の上では「まあ、しょうがないよね」で通ってしまう金額なんですよね。月約5.9万円の固定費が、お金が尽きる確率を31%から36%まで押し上げる。

買うかどうかで迷っている段階で「これは老後の何年ぶんなのか」を一度だけ計算しておくと、迷い方が変わると思います。平均の維持費データを眺めるより、自分の車種と自分の駐車場代で回したほうが速いです。

自分の車で、自分の数字を計算する

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