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人身傷害を無制限にしていたのに、子どもの歩行中は補償されなかった
この記事で伝えたいこと
人身傷害は、保険金額だけでなく補償範囲も確認する 「車内のみ」と「車内・車外」では、歩行中などの自動車事故まで補償されるかが変わる 私は年1,200円の差額なら、子どもの通園や帰宅途中まで補償を広げておこうと判断しました
こんにちは、金育SEのまさ(@kinikuse)です。
前回、人身傷害の保険金額について記事を書きました。
前編では「いくらまで補償するか」を考えました。約款の算定基準で計算すると、重度後遺障害の損害額は1億円を超えることがある。
ただ、私の契約はもともと無制限です。だから前編の結論は、次の更新では1〜2億円まで下げてもいいかもしれない、でした。今回は、その続きです。
ただ、最初から「歩行中も補償を付けよう」と考えていたわけではありません。むしろ私は、自動車に乗っていないときまで自動車保険で補償する必要はないと思っていました。
自動車保険なんだから、自動車に乗っているときの事故をしっかり補償できればいい。それが、これまでの私の考え方です。
ところが、AIと自動車保険についてあれこれ話しているうちに、少し考えが変わってきました。
たとえば、子どもが保育園へ通う途中や帰宅する途中など、車に乗っていないときに自動車事故に遭う場面はあります。
もし、そういう事故まで補償範囲を広げられて、差額が年間1,200円だとしたら? 月にすると100円です。「それなら、付けてもいいんじゃない?」と思ったんですよね。
もう一つ、きっかけがありました。
最近、SNSで「任意保険なんて必要ない」といったかなり強い意見を見かけることがあります。
一方で、外国人ドライバーによる危険な運転とされる事故など、自動車に関する事故がニュースで取り上げられるのを見る機会も増えました。
もちろん、事故のリスクそのものが統計的にどれだけ上がったのかは、今回の記事では検証していません。
ただ、自分や家族が自動車事故に遭う可能性について、以前より気になるようになった。これも、補償範囲を見直そうと思った理由の一つです。
そこで、実際の契約がどうなっているのか、保険会社に確認して、約款も読み直してみました。今回は、その話です。
この記事で分かること
- 「車内のみ」と「車内・車外」の違い
- なぜ私はこれまで「車内のみ」にしていたのか
- 年1,200円で補償範囲を広げることにした理由
- 相手の自動車保険があっても人身傷害が役立つ理由
【はじめに】保険会社に聞いたら、約款を案内された
最初に保険会社のチャット窓口へ問い合わせました。「この条件なら、人身傷害の損害額はいくらになるのか?」と、かなり細かいことを聞いたんですよね。
すると、「約款のしおりの25ページ以降を確認してください」と案内されました。
そのときは、まあ当然だよねと思いました。実際に読んでみると、損害額の算定基準はそこに書いてありました。なので、これは「答えてくれなかった」という話ではありません。
正しい資料を案内してもらった。でも、読む側にも前提知識が必要だった。 私としては、これが一番しっくりきます。
その後、補償範囲についてもう少し確認したかったので、コンシェルジュデスクにも問い合わせました。チャット窓口は契約手続きなどが中心です。個別の約款解釈まで、その場で踏み込むのは難しいんですよね。
対応してくれた人が悪い、という話ではありません。
むしろ、私みたいにAIと会話しながら「この条文はどういう意味?」「このケースは対象になる?」と細かく聞いてくる人の相手をするのは大変だと思います。
私にはそういうバイトはできないな(笑)。
AIに約款を読ませるのは便利だった
今回、保険会社への問い合わせと並行して、AIにも約款を読ませました。「この条文はどういう意味?」「このケースは対象になる?」と聞くと、該当する条文を探すところから手伝ってくれます。
これは本当に便利でした。
ただ、最後は自分でも約款を確認しました。二次情報やAIの情報を信じていいケースもあります。でも、ハルシネーションだったときに困るケースもかなり多い。保険の補償範囲は、その一つだと思います。
私が「車内のみ」にしていた理由
私が「車内のみ」にしていたのは、この補償の存在を知らなかったからではありません。「車内・車外」という選択肢があることは知っていました。
ただ、それまでの私は、自動車保険は自動車に乗っているときの事故を補償できれば十分だと思っていました。わざわざ歩いているときまで自動車保険で補償する必要はないだろう、と。
だから、あえて「車内のみ」にしていたんです。
それが今回、子どもの保育園への通園途中や帰宅途中などを考えるようになって、少し見方が変わりました。
車に乗っていない時間まで含めて自動車事故のリスクを考えるなら、年1,200円で補償範囲を広げられるのは安いんじゃないか。
約款のしおりでは、補償範囲が次のように分かれています。1
| 事故の場面 | 車内のみ | 車内・車外 |
|---|---|---|
| 契約した車に搭乗中 | ○ | ○ |
| 他の車に搭乗中 | ― | ○ |
| 歩行中などの自動車事故 | ― | ○ |
※実際の補償対象は契約内容・約款によって異なるため、保険証券と約款を確認してください。
今回の契約では、「車内・車外補償」にするために自動車事故特約を付ける形になります。2 この特約を付けることで、歩行中などの自動車事故まで人身傷害の対象になります。
ただし、「車外」なら何でも補償されるわけではありません。今回確認した約款では、対象となるのは「自動車の運行に起因する事故」です。3
たとえば、自転車にぶつけられた事故まで自動的に人身傷害の対象になる、という意味ではありません。
「車内・車外=日常生活中のケガ全部」ではない。 ここは補償範囲を確認するときに、セットで見ておきたいところです。
【検証】差額を聞いたら、年1,200円だった
ここまで確認したら、次に気になるのは保険料です。「車内のみ」から「車内・車外」に変更すると、いくら上がるのか。コンシェルジュデスクに確認しました。
私の契約では、年間1,200円でした。月額にすると100円です。
これなら、私は付けた方がいいんじゃないかなと思いました。ここはあくまで私の判断です。家族構成や他の保険、補償の重複などでも判断は変わります。
私の場合は、人身傷害を無制限にしていて、その状態から補償範囲を広げる差額が年1,200円でした。それなら、子どもが歩行中に自動車事故に遭った場合まで補償してもらえる方を選びたい。私はそう判断しました。
「人身傷害は無制限だから大丈夫」ではなく、その無制限は、どんな事故に対して使える無制限なの? 一度、保険証券を見てみることをおすすめします。
【よくある疑問】「相手がいるなら、相手の保険から出るのでは?」
こう思う人もいると思います。
「歩行中に車にはねられたなら、相手の対人賠償保険から払ってもらえばいいのでは?」
たしかに、相手に法律上の損害賠償責任があり、十分な保険にも入っていれば、相手方から賠償を受けることになります。それでも、人身傷害が役に立つ場面があります。
①自分にも過失がつくことがある
たとえば、損害額が約1億6,400万円だったとします。前編で計算した、35歳・年収500万円のモデルケースの金額です。
歩行者側にも20%の過失が認められたら、単純化すると3,280万円分は自己負担になります。
人身傷害は、こうした自分の過失分も含めて、約款の基準に沿って自分側の損害を補償します。4
もちろん、実際の支払額は事故の状況や他から受け取る金額によって変わります。「相手がいる事故だから、人身傷害はいらない」とは限らない。 ここが分かっただけでも、約款を読んだ意味がありました。
②相手が無保険だったら?
もう一つは、相手が十分な保険に入っていないケースです。ひき逃げなどで相手が分からないこともあります。
自賠責保険にも支払限度額があります。 重い後遺障害でも、自賠責だけで損害のすべてを埋められるとは限りません。5
こういうときに、自分の人身傷害がある意味が出てきます。
そして、いちばん気になったのが「いつ払われるか」
今回、約款を読んでいて気になったのがここでした。事故が起きたら、すぐに損害額が確定するわけではありません。
治療が続き、症状固定を待ち、後遺障害等級の認定があり、相手方との示談や、場合によっては裁判があります。
その間も、治療費や介護にかかる費用は発生します。親が付き添えば、仕事を休んで収入が減ることもあります。「最終的には相手から払ってもらえる」と「今の生活費をどうするか」は別問題なんですよね。
人身傷害は、こうした場面で自分の保険から先に受け取れる可能性があります。6 ただし、ここには約款上の調整があります。
たとえば、後から判決や裁判上の和解で損害額が算定された場合には、一定の条件で裁判上の基準による額を使って自己負担額を計算する規定があります。7 一方で、示談だけで同じ扱いになるわけではありません。
このあたりは細かいので、必要な人向けに整理しておきます。
人身傷害を受け取る前後の示談について
約款では、賠償義務者と責任割合などについて意思表示や合意をする場合、あらかじめ保険会社の承認を得るよう定めています。承認を得ずに合意すると、保険金から差し引かれる場合があります。8
相手方との示談や責任割合の話を進める前に、まず保険会社へ連絡する。 これだけは覚えておいた方がいいと思います。
ちなみに、人身傷害保険金だけが支払われた事故は、ノンフリート等級ではノーカウント事故として扱われます。9
【結論】まとめ。金額だけ見ていたら、範囲の穴に気づかなかった
前編では、「人身傷害をいくらにするか」を考えました。約款の算定基準から計算すると、重度後遺障害では1億円を超える損害額になるケースがあります。
私の契約はいま無制限ですが、そこまで計算したうえで、次の更新では1〜2億円に下げてもいいと考えるようになりました。
今回は、金額とは別に補償範囲を考えました。私が「車内のみ」にしていたのは、車内・車外という選択肢を知らなかったからではありません。
自動車に乗っていないときまで自動車保険で補償する必要はないと思っていたからです。
それが、子どもの通園や帰宅途中などまで考えて、年1,200円なら補償範囲を広げておこうと判断しました。
最近、自動車事故のニュースを見ていて、家族が巻き込まれる可能性も以前より気になるようになったこともあります。
金額は下げる方向、範囲は広げる方向。逆に見えますが、どちらも同じ基準で考えた結果です。
保険は、必要か不要かだけで決めるのではなく、自分がどこまでのリスクを引き受けるのかで考える。私は今回、そうやって決めました。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
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三井ダイレクト損害保険「総合自動車保険 普通保険約款・特約(B76-1 2601)」人身傷害条項および「自動車事故特約」の補償対象。2026年4月1日以降始期契約用、約款のしおり25ページ以降を参照。 ↩
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同約款「自動車事故特約」。人身傷害の補償対象となる事故の範囲を、歩行中などの自動車事故まで広げる特約として確認。 ↩
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同約款「人身傷害条項」第6条。人身傷害事故の定義を参照。「自動車の運行に起因する事故」等が対象で、車外で発生したすべてのケガを補償するものではない。 ↩
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同約款「人身傷害条項」第7条(損害額の決定)・第9条(支払保険金の計算)。自分の過失割合に相当する部分を含めて、約款所定の基準により自分側の損害額を算定する規定。実際の支払額は事故状況、過失割合、他から受け取る金額等で異なります。 ↩
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自動車損害賠償保障法に基づく自賠責保険の支払限度額。後遺障害は等級に応じて75万円〜3,000万円、介護を要する後遺障害の場合は第1級4,000万円・第2級3,000万円、傷害は120万円が限度。 ↩
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同約款「人身傷害条項」第12条(保険金の支払時期)。損害賠償請求権の確定を待たずに、約款所定の手続きにより保険金が支払われる規定。 ↩
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同約款「人身傷害条項」第9条(2)なお書き。判決または裁判上の和解により算定された損害額について、一定の条件で自己負担額の算定に用いる規定。示談だけの場合は同じ扱いになりません。 ↩
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同約款「人身傷害条項」第11条(5)。賠償義務者との責任割合等について意思表示・合意をする場合の保険会社の承認に関する規定。 ↩
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三井ダイレクト損害保険「総合自動車保険 普通保険約款・特約」ノンフリート等級別料率制度に関する規定。人身傷害保険金のみが支払われた事故はノーカウント事故として扱われ、翌年度の等級に影響しません。契約条件・保険会社により取扱いが異なる場合があります。 ↩

